脳内麻薬の快楽:ドーパミンの話 BlueBloomBlog/ウェブリブログ
という疑問に対し、
どうやら生命が誕生するのはそんなに特別なことではないそうだ。
しかし、我々人類と同じように知性を備え、
文明を築くような生命がいるかとなると、
こちらは非常に難しいらしい。
というのは、
地球上で生命が誕生したのは38億年前なんだけど、
この間にいろんな生命が非常に多く発生したのですが、
知性や文明はこの38億年間でどうやらただ一度しか発生していない。
「文明」の登場は、非常に奇跡的なシステムらしい。
今回、文明の誕生には、
「脳内麻薬」が大いに関係しているという話をしたい。
つまり、
人間のあらゆる行動は、快楽の為、
しかも「脳内麻薬」の放出を求めて起こるという話である。
ところで、人間が二本足で立ち上がった瞬間から、
人間の脳が他の生物よりも著しく発達したという説を知ってますか?
つまり、人間が万物霊長になった理由は、「二本足で歩く」からだ。
なぜ二本足で歩くと脳が発達するのか?
研究の結果、
歩くことで脳は刺激を受けホルモンが分泌されることが判っている。
歩き始めて最初に出てくるのがβ−エンドルフィン。
気分をハイにしてくれる「脳内モルヒネ」と呼ばれる物質。
「ランナーズハイ」を引き起こす物質である。
次に現れるのがドーパミン。
意欲高揚を促し、やる気を高めてくれる。
ドーパミンは、「満足の脳内麻薬」などと呼ばれたりもします。
さらに歩き続けるとセロトニンが分泌。
セロトニンは、幸せ感や満足感をもたらし、
晴れ晴れとした心、安らかで安定した気分、優しい気持ちになる。
つまり、
歩くことで分泌が高まるホルモンとは、
β−エンドルフィン、ドーパミン、セロトニン
の三種で、どれも強力な「脳内麻薬」と呼ばれる物質である。
どのようにトーン特定の筋肉への
ネズミを用いた実験で、
ドーパミンが出っ放し状態になるように遺伝子操作をしたネズミは、
疲れも知らず動き回り、そして、死ぬまで走り続ける。
ドーパミンが過剰に分泌されるようにしたラットは眠りません。
死ぬまで休まずに活動します。
そんな強力な脳内麻薬であるが、
歩くことで脳内麻薬がでるのは人間だけである。
そして、
ドーパミンが全く出ないようにしたネズミは、意欲が全くなくなり、食事も水も摂らず、新しいオモチャでも遊ばない。栄養を与えるのをやめると死んでしまいます。
人間が氷河期を乗り越え、
意欲的に運命を切り開いて文明を作り上げた原動力こそ、
この脳内麻薬なのです。
さて、脳内麻薬って覚醒剤と似てますよね。
実際に、
なぜ人間は薬物依存症や覚醒剤中毒、煙草中毒になるのか?
じつは、薬物依存もドーパミンに関係しています。
麻薬やコカイン、アンフェタミンなどの覚醒剤やタバコなどは、
脳内にドーパミンを増やす効果がある。
よって、行動そのものが動機となって強化され、
精神依存を作り出し、やめたくてもやめられなくなる。
ここが重要なのだ。
つまり、
「煙草はドーパミンを大量に出してくれる故に、煙草が吸いたいと思う。」
ということだ。
人間はドーパミンを脳から出したくて、
いつもウズウズしてて、ドーパミンが出る行為が期待できるだけでドーパミンが出る。
そして、ドーパミンを出してくれる物質や行為に中毒になる。
えーと。
簡単に説明するとね。
大好きな女性がいるとしましょう。
その女性と話しをしたり、お茶を飲んだりすると
「嬉しい」ですよね。
その嬉しい時、脳内ではドーパミンが出てるわけです。
犬の場合は、餌を食ってるとき、ドーパミンが出てるのね。
重量誰が私は次のようになりません
ところが、人間の場合は、
その女性を待ち伏せしてる間にもドーパミンが出るんですよ。
結果は関係ない。女性を待ち伏せするストーカー行為自体が、
女性と話す行為と差がないって場合があるのです。
犬はそうじゃない。
餌にストーカー行為してるだけで、食欲が満たされるってことは決して無い。
つまり、
人間は地球上の生物で唯一、「快楽を期待」してる時にでも脳内麻薬が大量に送出されるのです。
ドーパミンが分泌されることで快楽を感じるのは人間だけでなく、動物も同じである。
しかし人間が彼らと異なるのは、単に食欲や性 衝動を満たすといったことではなく、
新しいものを見つけた時、優れた芸術を見た時などにもドーパミンが放出される点である。
つまり、人間だけが「感動する能力」を持っている。
なぜ人間だけが、このようなドーパミン放出スイッチの多様性機能を得たのでしょう。
太古から人々は狩猟を行いました。
狩猟は人間が生き延びる為の手段だった。
狩猟が成功する人は食料、地位、子孫を残す為の相手も保障された。
そのために人間は道具を開発し、罠を仕掛け、辛抱強く狩猟を続けたのです。
その意欲を支えるための忍耐力は他の生物の比ではない。
神は人間に「期待物質」としてドーパミンを与えたのだ。
期待によってドーパミンが大量に放出される機能よって、
人間は常に向上心を持って進歩したといっても過言ではない。
ドーパミンについての研究。
1954年 カルフォルニア工科大学の生物学者ジェームス・オールズの実験
ラットの脳に快感中枢に電極を刺し、自分でレバーを押すと電気刺激で快感を得られるようにした。
すると、ひたすらレバーを押し続け、1時間に数千回もレバーを押した。
これは「自己刺激法」と呼ばれる。
ボウルに嘔吐
さらに、
1972年 ニューオリンズのテュレイン大学の精神医学者ロバート・ヒースの研究
ボタンを押すことにより、患者が自分で性中枢を刺激し、完全な性体験を味わえるようにした。
すると、1日に何千回、1時間に250回自己刺激を行った。
1978年 ノースウェスタン大学の心理学者アリエ・ラウテンバーグの研究により、
脳内の快感中枢がドーパミン作動神経であり、記憶の固定と極めて関係が深いことを実証した。
さて、こう考えるとドーパミンは快楽によって得られると考えられるわけであるが
実際はそんなに単純ではないのです。
なぜなら、快楽は飽きるからだ。
実際に、快楽が得られると、最初は大量のドーパミンが放出されるが
だんだん、刺激に慣れてくると、急激にドーパミンの放出が低下する。
そこで、さらに強い刺激を求めて中毒になるわけである。
しかし、刺激を強くしなくても、
人間だけは、期待することによってドーパミンがずっと出るのだ。
つまり、ドーパミンは「満足」よりも「期待」によって多く放出されるというのは、
人間のみが神から与えられた恩恵である。
釣りって好きじゃない人は判らないと思いますが、
魚が釣れても釣れなくても、非常に深い満足があるらしい。
釣りをしている際、いつ魚がヒットしてくるか分からない。
そのドキドキ、ワクワク感の時にドーパミンが分泌始める。
そして、魚がヒットする時にドーパミンが一挙に出る。
しかしながら、魚は毎回は釣れない。
不規則な、予知が出来無いところがある。
脳は報酬を求め、喜びを期待するゆえに、人は「釣りをしたい」と思うのだ。
もしも、毎回獲物が釣れると、いくら釣り好きでも飽きてしまう。
いつ来るか分からないヒットを求めて、道具を買い、餌を考え続ける。
これはまさしく、ドーパミンの作用である。
ある心理学の実験で、
買い物をする時にドーパミンが発生する事が分かったらしい。
良い買い物を探す行動は狩に匹敵し、意欲が出る様になる。
実は、バーゲンやギャンブルやパチンコやスロットも、
良い品をゲットしたり、大金持ちになる為では無く、
バーゲンの列に並び、ギャンブルの機械の前に座ることに意義があるのだ。
本当にゲットできるのか?いつ当たるか分からない未知の要素にこそ意義がある。
私たちは、生きるために「ドーパミン」が必要であり、
そして、感動にはドーパミンが介在してる。
スポーツ選手や芸術家が、直接社会の役に立つものを作り出しているわけではないのにもかかわらず、
高い尊敬を得ているのは、彼らが、「感動」を供給することができるからではなかろうか?
ドーパミンを知ることによって、
商売や政治の分野で大きな成果が出るでしょう。
金や麻薬や覚醒剤を用いることなく、人を自在に操ったりできるし、
自分自身を自在に操ることも可能になる。
そして、まだ解明されていない特殊な能力の開発にも
ドーパミンは大いに関係してるという説もある。
どのみち、
人間が感動する能力を獲得した時に、全ての進歩が始まったとするのならば、
感動する心こそ人間が他の動物と違う点であるとも考えられる。
というわけで
僕が「泣いた赤鬼」を読んで、不覚にも泣いてしまったのは、
けっして老化現象からではなく、
感動を求めておるからこうなるのです。
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