2012年4月6日金曜日

コーヒーとヨーロッパ〜牛乳の秘密〜 - 忙しいほうがいい。でも本当は・・・


さてさて〜〜(´∀`*) ずいぶんと間をあけましたが、シリーズ「コーヒーに挑戦」

コーヒーとヨーロッパ〜エスプレッソV.S.カフェオレ〜の続きです。

フランスでは、初めてそれまでアラブ人がそう行っていたような挽いたコーヒーそのものを鍋で煮だして飲む飲み方ではなく、布袋に詰めて、湯を注いで浸出する飲み方が生み出されました。

そしてさらにそんなコーヒーに牛乳を入れて飲む飲み方が発達しました。

一方で同じヨーロッパでも、イタリアではナポレオンの大陸封鎖令によりコーヒーの入手が難しくなったことから、コーヒーをより濃く抽出して量を少なくして飲む飲み方が発達しました。

このような歴史的背景はあるにせよ、フランスを初めとするヨーロッパ� ��部の地域と、イタリアやアラブ地域ではこのようにコーヒーの飲み方に対する変化が生まれたのでしょう。

このことに対して、このことについてのんきは、『ヨーロッパ北部の地域にあった、とある習慣』が関係しているんじゃないか、ってお伝えしましたね。

タイトル名からも推察できるかとは思うのですが、その習慣とは、「牛乳を飲む習慣」。

よく考えるとわかることなんですが、人間をはじめとする哺乳類が母乳を必要とするのは、「授乳期」。「牛乳」も母乳の一種ですね。

母乳って、基本的に赤ちゃんが授乳期を終え、幼年期へ向けて成長するために必要な要素が含まれているんです。


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この中に含まれている成分の一つが「乳糖(ラクトース)」。ラクトース、という成分は、「グルコース」と「ガラクトース」という二つの成分が合わさったもの。

グルコースとは、別名「ブドウ糖」。人間が生きていくために必要なエネルギーとなる物質。もう一つ「ガラクトース」とは、別名「脳糖」というのだそうです。授乳期の子供は、脳や体をしっかりしたものに作り上げていくため、このガラクトースを多量に必要とするのだそうです。

人間にとって必要な栄養素はこの二つの糖分であり、「乳糖」という状態のままでは有効活用することができません。それどころか、この「乳糖」。分解されず、その状態のままでは、人間の体� �よって、「有効」どころか、むしろちょっと迷惑ないたずらをしてしまいます。

乳糖は通常小腸で分解され、2つの糖分となって吸収されるのですが、分解されていない状態。すなわち乳糖のままでは吸収することができませんから、そのまま大腸に運ばれます。

大腸は本来水分を吸収するための場所なのですが、水を吸収する能力の高い乳糖が大腸に運ばれることで、大腸が水分を吸収能力が弱まります。つまり、ちょいと便の水分の量が増える・・・つまり、下痢気味になってしまうわけですね。

また、大腸の中にはこの乳糖を有効利用できる微生物がいて、この微生物の働きで町の中に乳酸や二酸化炭素が発生したりします。


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乳酸値が高まることで、大腸の中の酸性の度合いが高まり、このことが大腸の働きを活発にし、先ほどの乳糖そのものの働きと相まって、急激に腹痛を発生し、トイレに駆け込む・・・などという目にあったりします。

二酸化炭素が発生するわけですから、膨満感に苦しんだり・・・おならがいっぱい出てしまったりするのですね。
これらの現象のことを、「乳糖不耐症」と呼びます。

これらの現象は、小腸で乳糖を分解する能力のない人に起きるわけですが、ですが牛乳を飲むからと言って、必ずしもみんながみんなこの「乳糖不耐症」にかかるわけではありません。

特に乳児期の赤ちゃんは成長のため、乳糖を分解する必要性があるわけですから、乳糖不耐症であっては困ります(実際に先天的な乳糖不耐症の人もいるので、そういった人たちはその症状に合わせた対処方法が必要です)。

そう。「子供たち」にあって、「大人たちに」にない能力。
乳糖は、小腸で「ラクターゼ」という酵素によって「グルコース」「ガラクトース」という二つの物質に分解されます。

授乳期にある哺乳類には、このラクターゼという酵素を象徴で分泌する能力を持っているのですが、やがて成長すると、その能力を失ってしまいます。

人間でいうと、大体4歳頃がその失われるか失われないかの目安となる年齢です。
なぜこの年齢になると人間はラクターゼを分泌する能力を失うのか。

これ、発想としては実は簡単なことで、大人には母乳は必要ないから。その一言に尽きます。

さて。それでは本題に戻ります。


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『フランスを初めとするヨーロッパ北部の地域と、イタリアやアラブ地域ではこのようにコーヒーの飲み方に対する変化が生まれたのか』。

人間は通常4歳くらいでラクターゼを分泌する能力を失うのですが、ところが一部の民族は、その食習慣により、このラクターゼを分泌する能力を失わないまま成人することができます。

食習慣。つまり民族として習慣的に牛乳を飲み続ける習慣です。
これがヨーロッパでいうと、「アングロサクソン系」の民族。イギリスやドイツ、ノルウェー、デンマーク、フランスなど、現在では多くの地域に居住している民族です。

この他、アフリカ地域でいうとナイジェリア地域、またインドなどでも民族的に牛乳を飲む習慣があり、こういった地域の人々は、体質的にラクターゼを分泌する能力が大人になっても失われません。

一方で、同じヨーロッパでも地中海周辺にすみ民族。アラブ人、ギリシャ人、キプロス人、南イタリア人たちはこういった能力を保有していませんから、彼らのもとでは牛乳を飲む習慣は流行りませんでした。

南の方では傷みやすいですしね。

北ヨーロッパと南ヨーロッパでコーヒーの淹れ方とその発展の仕方に差が生まれたのは、こういった理� ��ではないか、という考え方があるようです。

面白いですね。

さて。今日のお話はこれで終わり。さてさて・・・次回はどのような内容にするか。
本をさらに読みすすめて、再度組み立ててみたいと思います。

「コーヒーに挑戦」、次回シリーズをお楽しみにね。


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