2012年5月31日木曜日

神経ブロック療法について / はせペインクリニック


主な神経ブロックの説明

1.星状神経節ブロック

画像1:星状神経節ブロック画像

星状神経節ブロックとは、頚部にある交感神経(星状神経節)の働きを局所麻酔薬により遮断(ブロック)する治療法です。


ショックと乳酸の蓄積のための治療

このブロックにより、ブロックした側の顔面、頭部、頚部、上肢の血管が拡がって血液の循環が良くなり、傷んでいる組織の自然治癒を促進します。また痛みのある患者様では、交感神経が緊張して発痛物質が産生されやすい状況になっているため交感神経を遮断することで痛みの悪循環が改善される可能性があります。したがって星状神経節ブロックで血流改善による局所の自然治癒力の増強と痛み物質の洗い流しの二つの効果が期待できます。

※治療対象となる症状および疾患

頭や顔の痛み、頸・肩・腕・手の痛み、肩こり、腕や手の循環障害(バージャー病、動脈硬化症、膠原病などによるもの)、帯状疱疹・帯状疱疹後神経痛(顔、頸、上肢)、顔面神経麻痺、突発性難聴、網膜中心動脈閉塞症


"頭痛の夜"

2.硬膜外ブロック

画像2:硬膜外ブロック画像

硬膜外ブロックとは、背骨の中にある硬膜外腔という部位に主に局所麻酔薬を注入する治療法です。硬膜外腔に注入された局所麻酔薬は脊髄神経に浸みて行くことで、痛みをやわらげ、血液の流れを良くする効果を発揮します。

硬膜外ブロックは腕・胸、背、腹、腰、足とほとんどの部位の痛みに対して用いることができ、多くの病気が治療対象になります。


歩行試験結果

3.神経根ブロック

神経根ブロックとは、レントゲンの透視下で痛みの原因と考えられるそれぞれの神経の根元(神経が脊髄から分かれたすぐのところ、すなわち神経根)にブロック針を誘導して局所麻酔薬や炎症をとる副腎皮質ステロイド薬を注入する方法です。局所麻酔薬でのブロックが一時的な効果しかないときは必要に応じて パルス高周波熱凝固療法(*1)を行います。

治療対象となる疾患

脊柱疾患:椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、変形性脊椎症、脊椎すべり症等、神経因性疼痛:外傷(神経損傷)後の疼痛、帯状疱疹後神経痛、術後痛 等癌の痛み等


4.脊椎神経後枝内側枝高周波熱凝固(ファセットサーモ)

腰・背部の痛みや後頚部の痛みの原因の一つに椎間関節(背骨の関節)由来の痛みがあります。ファセットサーモとはこうした痛みの原因となる椎間関節に分布する神経(脊椎神経後枝内側枝)にレントゲン透視下でブロック針を誘導して高周波熱凝固法(※1)で熱を加える除痛法です。ブロックが成功すれば効果は4〜6ヶ月くらい持続します。



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