掲載2009年11月7日
内容紹介・訳者メモ
豚インフルエンザ騒ぎのインチキについては既に多くの情報が流れているが、このブレイロック博士の調査報告は、公式情報に基づいて記述されているところに大きな意味がある。少々長いが、憶測・深読みは控え目にして、事実を忠実に追いたい方には必読である。
<注目ポイント>
1.妊婦へのワクチン接種の問題(流産、奇形児などの可能性)
2.H1N1の感染力・病原性がいかに微弱であるか(CDCの統計テクニック)
3.ワクチンの安全性検証は、ワクチンメーカーの社員によって7日間実施されただけ
4.他の様々なワクチンと同時接種の危険性(特に乳幼児)
5.基礎疾患、肥満、喫煙などと重症化・死亡の関係
このように米国では医療関係者からもワクチン反対意見が出始めており、世論調査では半分近くの人々がワクチンを受けない意思が示しているそうだ。タミフルのように、結果的に新型ワクチンの最大顧客は日本だった、なんてマヌケなことにならないことを願う。
ラッセル・ブレイロック博士
By Dr. Russell Blaylock
(Mercola.com by Dr. Joseph Mercola)
2009年11月3日
我々が歴史と経験から学んだこと。
それは、政府も国民も、歴史から何も学ばず、
歴史から得た教訓を生かして行動することも
ありえないということだ。
(G.W.F.ヘーゲル)
今年3月にメキシコで最初の感染が見つかって以来、私はインフルエンザ(H1N1)の「パンデミック」の進展する様を追ってきた。この調査を進める上で私は、専門家同士で内容を精査された、上質の論評、CDC(米国の疾病対策予防センター)のデータ、一般に認められたウィルス学の教科書を、情報源として利用するよう努めてきた。
この手の調査では常に、過去の疫病の流行で起きたこととの関連を押さえ、整理する必要がある。読んで頂ければ分かることだが、私が参考にした資料の大半は、CDC、NIH(米国の国立衛生研究所)、NIAID(国立アレルギー・感染症研究所)、NEJM(ニューイングランド医学情報誌)などの公式情報である。したがって、私が主流から外れた文献・資料を使っているという非難はできないはずだ。
妊婦が新型インフルエンザで特に危険ということはない
最初から(まだWHOがレベル6のパンデミックを宣言する前から)、今回の流行は50年に一度あるかないかの恐ろしい致死的な大流行になるかもしれないと、ある「科学者」のグループは、警報を鳴らしていた。
当然ではあるが、ワクチンのメーカーは、この恐怖をできるだけ煽り立て、世界に供給する「パンデミック」ワクチンを製造する企業の仲間に入ろうとして、目立たないようにWHOと交渉していた。WHOに選定されれば、何百億ドルという利益が確保できることになる。
感染が米国に拡大し始め、さらに世界へと広がっていくと、奇妙な特徴が明らかになった。1950年より前に生まれた人は感染に対する抵抗力が高く、25歳から49歳の人に、病原性がやや高い(病気を起こしやすい)ことがうかがえた。早い段階で、公式の情報は、季節性のインフルエンザと比べると妊婦に特別な危険性があると伝えていた。【参考資料1】 後に判明したように、これは大嘘だった。
初期の調査では、H1N1は危険でもなく、感染力も強くないことが示されていた
パンデミックが宣言されると、ウィルス学者たちは、通常の方法(フェレット=実験用動物にウィルスを感染させる方法)で、このウィルスの潜在的な能力を分析した。【参考資料2】 その結果、H1N1ウィルスは、通常の季節性インフルエンザと比べ、若干深く肺の中に入り込んで行くけれども、病原性が高いということはないのが明らかになった。どう判断しても、1917年~1918年のH1N1ウィルスの病原性に匹敵するものではなかった。他の器官組織への感染もなかった。特に重要な点であるが、脳への感染はなかった。
そして次に、彼らは、人間へのウィルスの感染拡大力を分析しようとした。その検査結果(複数)は、相矛盾する内容となったが、最も優れた検証では、ウィルスはそれほど他に感染しないことが示されていた。実は、家族の一人がH1N1ウィルスに感染しても、家族の他のメンバーに伝染する確率は10%であることがCDCの調査(未発表)で分かっていた。極めて低い伝染力である。
これは後に、ニューヨーク州で起きたことで裏付けられることになる。大統領の科学技術諮問委員会が予測した50%をはるかに下回る6.9%の人々がウィルスに感染しただけだった。【参考資料3】 1917年~1918年の豚インフルエンザ流行のときの世界の感染率は20%に過ぎなかったことを参考までに記しておく。【参考資料4】
同委員会は、180万人が入院し、30万人がICU(集中治療室)に入る必要があると予測していた。さらに、病院が人であふれ、死にかけた人たちを治療するICUのベッド数が不足するとも予測していた。信じられないことだが、彼らは9万人が死亡すると予測していたのである。
大々的な恐怖の利用
それだけでは満足しなかった彼らは、乳幼児だけでなく、妊婦にも特別な危険があるという話をふれ回って、更に恐怖を煽った。我々は毎日のように、心臓病、糖尿病、癌など免疫抑制的な病気を基礎疾患として持つ人々だけでなく、若く健康な人も死んでいると聞かされていた。恐怖担当大臣(CDC)は、過労気味になるほど、破滅がやってくる、もう終わりだと吹聴して歩き回った。恐怖に怯えた人々は合理的な判断ができないこと、ワクチン販売のためにパニックほど効果的なCMはないことを知っていたからである。
こうした不吉な予測が、オーストラリアとニュージーランドにも広がり、秋・冬の季節に入った両国では、H1N1と関連入院の報告件数が増加し始めていた。最近になって、NEJM誌に、アメリカの入院事例【参考資料5】とオーストラリアとニュージーランドのICUの事例【参考資料6】を分析した重要な記事が二本発表されている。この非常に興味深い調査について分析してみることにする。
今回のインフルエンザ・ウィルスに関しては、科学的に明らかになっていることと、マスコミが報道していることの間に、芝居がかった食い違いがある。後述の通り、99.9%の人にとって今回のウィルスの感染は非常に軽い症状である。
オーストラリアとニュージランドの状況は、米国の誤りを証明した
南半球の諸国は、インフルエンザ流行のピークである秋・冬を既に越している。大半の地域で死者数も入院患者数も比較的少なく、伝染病学者もウィルス学者も、南半球でのウィルス流行が予想外に軽かったことに驚いている。
2009年10月8日のNEJM誌に掲載された「AZIC調査」は、ニュージーランドとオーストラリアの全ICU入院事例を分析し、数々の要因を考察している。【参考資料6】そこで分かったことは以下の通りだ。
ICU入院の事例
2,500万人の人口の内、722人が診断の結果H1N1インフルエンザと確定され、ICU収容となった。全体では856人がインフルエンザ・ウィルスで収容されたが、11.3%は亜型のないA型であり、4.3%は季節性のインフルエンザだった。
この調査では、ウィルス性肺炎で収容された人数も分析し、以下のような事実を明らかにしている。
ウィルス性肺炎で病院収容された人数(年別) 【参考資料5】
? 2005年 57人
? 2006年 33人
? 2007年 69人
? 2008年 69人
? 2009年 37人
ご覧の通り、2009年に実際にウィルス性肺炎で入院した人は、前年より32人減少している。CDCなどの公衆衛生(恐怖煽動)当局は、大量の人々が「インフルエンザ」で死んでいるように思わせたいのであろうが、実際にはインフルエンザ・ウィルス性肺炎であり、診断が確定している場合も未確定の場合も、大半の人は基礎疾患がある上で二次的に他の合併症を起こして死亡しているのである。
また、平均的な人が、最終的にICU収容まで行き着く危険性は35,714人に1人(0.00285%)であり、信じられないぐらい低いリスクだったことも明らかになっている。実際にICUに収容された年齢構成を見ると、25歳から49歳の層が最も多かった。生後1歳までの乳幼児は、人口当たりの収容率が高く、死亡率も高かった。
大半の子供はワクチンへの反応が乏しい
この年齢の赤ちゃんは、季節性インフルエンザ用であってもH1N1用であっても、ワクチンに対する反応が乏しいことは注目に値する。歴史的に最大級の規模の調査で、2歳以下の子供には季節性のインフルエンザ・ワクチンの予防効果が全くないことが分かっている。【参考資料7】
最近完了した新型H1N1ワクチンの有効性に関する調査(NIAIDが報告したもの)によると、2歳11ヶ月以下の子供の75%、3歳から9歳までの子供の65%については、H1N1ワクチンの予防効果が無かった。【参考資料8】
ワクチンでH1N1感染リスクは2倍になる
1,200万人を対象にしたカナダの未発表の新調査も重要であり、併せて考える必要がある。この調査によると、CDCとNIHが勧めている季節性インフルエンザ・ワクチンを接種すると、H1N1感染の発現リスクが2倍になる。また、感染がより重症化することにもなる。政府の専門家のアドバイスはそんなものだ。
肥満した人のH1N1合併症のリスクは6倍
先述の通り、大方の権威筋は、H1N1株ウィルスは、インフルエンザのウィルスという意味では、かなり穏やかであるという意見で一致している。大半(99.99%)の人々には、極めて短期間の軽い症状が出ている。
私が人数や危険性について議論する際に、重症や死亡を経験している人々の悲惨さを軽く考えているわけではない。どんな死亡も悲劇には違いない。 今、議論しているのは、このウィルスの危険が、政府や医療界がやろうとしている過酷な手段を採用するほど大袈裟なものであるかという問題である。本質的に実験段階でろくに検証されていない、効果の疑わしいワクチンを、大量の人々に接種すべきかという問題である。